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2026年のWBC中継は、映像メディアの転換を象徴するできごとといえます。

スマートフォンの画面に映るWBCの文字

2026年3月に開催されたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)第6回大会は、日本ではテレビ放送はなく、映像の中継はNetflixの独占配信となりました。これは、放送からインターネットへの映像メディアの転換を象徴する新たなできごとであるといえます。

スポーツの中継は、これまでメディアの歴史において、大きな役割を果たしてきました。

たとえば、戦前のラジオでは、1936年ベルリンオリンピックの放送があります。この時、水泳の放送で「前畑がんばれ」という言葉が連呼されたことはよく知られています。

また、たとえば、戦後のテレビでは、1964年東京オリンピックの放送が戦後の復興を国民に強く印象付けることになったといえます。

このように、スポーツの大きなイベントは、その時代の主力メディアが伝える役を担っていました。そして、20世紀後半から21世紀の初め頃までは、その役を担うのはテレビでした。

ところが、インターネットと動画配信の普及に伴って、その様相は、徐々に変わり始めました。それまでテレビが担っていた役を、動画配信が担うようになってきたのです。このことについては、新聞の記事などでも折に触れて述べてきました。

「DAZN、サッカー配信を『寡占』」『日本経済新聞』2022年1月。

「W杯でアベマが成し遂げたこと」『朝日新聞』2022年12月。

今回のNetflixによるWBC中継の独占配信は、こうした流れの延長上にあり、インターネットがテレビに取って代わりつつあるという事実を鮮明に示したものといえます。

今回の配信の結果がNetflixの日本での業績やシェアにどのように影響したかについて詳細な分析をおこなうのは、もう少し先のことになりますが、NetflixがWBCを配信したことには、映像メディアにとって大きな意味があります。れまで独自制作コンテンツを主としてきましたNetflixが、野球という外部のコンテンツを取り入れたことになり、総合的な配信サイトとしての性格を今後帯びていく可能性が示されたからです。

テレビからインターネットへの映像メディアの転換について、詳しくは

『映像メディア論』(和泉書院 ISBN: 9784757608122)

『平成期放送メディア論』(和泉書院 ISBN: 9784757610224)

をご覧ください。

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