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著書『映像アーカイブ論』でフェイク映像が生まれる構造的要因について述べています。

※画像は、実在の情景ではありません。

10月10日に発行した著書『映像アーカイブ論──記録と記憶が照射する未来──』(大学教育出版 ISBN978-4-86692-098-6)では、歴史的な映像資料の中にフェイクが含まれているものがあることに触れた上で、フェイク映像が生まれる構造的要因について述べています。

著書『映像アーカイブ論』の表紙です。

映像によって記録することは、文字によって記録することとは異なる特性を持っています。

たとえば、文字による記録は、記録者が観察した後で記録することが可能ですが、これに対して、映像は、カメラのレンズを通して撮影し記録するため、その場にカメラが無い場合は記録できません。

こうした映像による記録の特性が、記録映像の中にフェイクが生まれる構造的要因となります。

映像は、出来事が起こった後でしか撮影できない場合が多いのです。

既に終わってしまった出来事をどうやって後から記録するか。この問題に答えるために、流用、再現、捏造などの手段を用いて、「無い映像を作り出す」すなわちフェイクが生まれることになりえます。

したがって、ある映像コンテンツで、突発的に生じたであろう出来事が最初からきれいに記録されていた場合、そういう撮影がどうして可能だったのか、ひょっとすると流用や再現などがおこなわれているのではないか、と考えてみる必要があるといえます。

流用や再現の痕跡は、カメラ位置、被写体との関係、モンタージュや想定線など、映像コンテンツに関するリテラシーがあれば、ある程度、察知することができます。映像に含まれたフェイクを読み解く力を身につけるためには、映像コンテンツのさまざまな特性を的確に理解するリテラシーが重要です。

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